愛犬と京都、鞍馬口通からの鴨川さんぽ(出雲路橋-北大路橋)

【愛犬とおでかけ】鞍馬口通から出雲路橋へ、そして北大路橋まで・・・秋の訪れを待ちわびながら。

出雲路橋からの眺め

今回は地下鉄鞍馬口駅から鞍馬口通を通り、加茂街道まで出たあと、出雲路橋から河川敷に整備された鴨川公園を通って北大路橋あたりまで散歩してみました。途中には、京都の歴史に名高い史跡から、遊歩道や公園で汗を流したり思い思いの時間を過ごす人たち、賀茂川からの見事な眺めや季節を彩るお花など、短い時間でしたが見どころ満載の楽しいお散歩でしたよ。

※記事に掲載した神社仏閣のうち、上善寺以外の箇所は犬と一緒に拝観することはできません。上善寺については、抱っこするかキャリーケースやバッグ等に入れてあげて、地面に足を付けなければ拝観可能とのことです。

上御霊神社

上御霊神社
地下鉄鞍馬口駅の1番出入り口を出て、すぐ左手の角を東に進むと上御霊神社(かみごりょうじんじゃ)の鳥居が見えてきます。上御霊神社という社名は下御霊神社に対応するもので、正式名は「御靈神社」といいます。
桓武天皇の時代、各地で疫病が流行していたのですが、これを悲運の中に亡くなられた高貴な人々の御霊の祟りであるとして、延暦13年(794年)5月、早良親王(崇道天皇)の御霊をこの地に祀ったのが当社の始まりとされています。室町時代には、畠山政長が御霊の森で畠山義就と戦ったことから「応仁の乱」勃発の地とも言われています。

鞍馬口通あたり

閑臥庵
上御霊神社から北に進み、右に折れて鞍馬口通を進むと閑臥庵(かんがあん)の特徴的な門が目を引きます。ここは山号を瑞芝山(ずいしざん)という黄檗宗の禅寺で、江戸時代前期には後水尾法皇の実弟である梶井常修院の宮の院邸でしたが、後に王城鎮護の為に黄檗山萬福寺管長千呆(せんがい)禅師を招いて1671年に開山しました。御所の祈願所として法皇自ら「閑臥庵」と命名し、春に、秋に、和歌を詠んで庭を愛でたといわれ、現在はそのお庭を眺めながら黄檗宗伝来の普茶料理(精進料理)も頂けるようです。
上善寺
さらに進むと、京都六地蔵巡りの地蔵のひとつ「鞍馬口地蔵」がある寺として有名な上善寺があります。このお寺に本尊として祀られている阿弥陀仏坐像は、飛鳥時代から奈良時代にかけて布教活動や困窮者の救済に尽力した大僧正行基作と伝えられています。境内東側にある墓地内には「長州人首塚碑」があり、幕末の元治元年(1864年)の7月19日に起こった禁門の変において、鷹司邸附近で亡くなった長州藩士8名がこの寺で葬られたことを今に伝えています。
出雲路橋西詰
加茂街道との交差点までやってきました。信号の先に見えるのが出雲路橋です。「出雲路」の名は、弥生時代後期に出雲国から移り住んだ古代氏族・出雲氏が、鴨川右岸の南北の土地で稲作を始めたのが由来と言われています。橋の右側に見えるのは「官幣大社賀茂御祖神社」と刻まれた社号標です。出雲路橋を渡って東鞍馬口通を進むとやがて下鴨神社に至るので、ここから来る参拝者のためにこの地に建てられたのでしょう。

鴨川公園を歩く

鴨川公園グラウンド
出雲路橋のすぐ脇の河川敷には、グラウンドが整備されていて、少年たちがサッカーの練習をしていました。元気な声が聞こえてきます。
鴨川公園の百日紅
百日紅(さるすべり)は、夏から秋の百日もの間、紅色の花を咲かせるといわれ、この名がついたそうです。この日も紅色、薄紅色、薄紫色の美しい花で目を楽しませてくれました。さて、ここからは河川敷を北に向かって進みます。
鴨川公園 出雲路橋あたりの遊歩道
鴨川(賀茂川)の河川敷に整備された鴨川公園には、このように立派な遊歩道が通っていて、ランニングやサイクリングで汗を流す人や犬とのお散歩を楽しむ人などに利用されています。
鴨川公園 空を舞う鳶
トビが、まるで滑るように空を横切っていきました。このあたりのトビは人にも慣れていて、以前河原でおにぎり(だったかな?)を食べていて、トビにさらわれたのを思い出しました。元来は臆病で人を襲う性質ではないらしいのですが、タカ目タカ科に属する鳥類ですし、獲物を見つける眼力は鋭いようです。皆様もどうかお気をつけくださいね。
鴨川公園 対岸の風景
この日はまだまだ猛暑が続いていて、対岸には日傘を差して歩く人の姿がありました。秋の訪れが待ち遠しいです。
遠くに霞んで見えるのは比叡山です。

木陰にて

鴨川公園 木陰の風景
加茂街道沿いには枝ぶりも立派な古くからの並木があり、頃合いの日陰を作ってくれています。ベンチでしばし休憩を取ることにしました。
鴨川公園 駆け抜けるランナー
目の前を、元気なシニア(間違っていたらごめんなさい!)ランナーが駆け抜けて行きます。この暑さの中を・・・私には無理です(笑)。

北大路橋

北大路橋
北大路橋までやってきました。対岸をさらに北にすすむと、京都府立植物園があり、賀茂川沿いには桜並木で有名な半木(なからぎ)の道もあります。河川敷あたりも、休日はそれなりに人出もあるのですが、出町柳付近よりは落ち着いていて、ちょっと大人の雰囲気。地下鉄北大路駅からもほど近く、駅までのアーケード街は意外と庶民的だったりする、私の大好きなエリアのひとつです。
今回の散歩コースは、京都の歴史探訪もでき、賀茂川沿いの自然もしっかり楽しめる、ちょっといい感じのコースだったのではないでしょうか。私にとっても、何度も通った道でありながら、取材を通じて得た新たな事実もあり、ますます好きになった散歩道でもあります。
季節が変わり、過ごしやすくなったら、またふらっと訪れてみたいです。皆さんも、ぜひ一度愛犬と一緒にお散歩を楽しんでみてください。
京のシッポでは、今後も愛犬と一緒に散歩できる、素敵な場所や面白いスポットを紹介してまいります。次回の記事もどうかお楽しみに!

 

鞍馬口駅~北大路橋:京都府京都市上京区上御霊中町(鞍馬口駅)
最寄駅:
地下鉄鞍馬口駅 下車すぐ

近くの「犬同伴OK!」のお店

cafe sora<京都市北区出雲路立テ本町94>

加茂街道と鞍馬口通りの交差点から少し北に進むと、このおしゃれなカフェが見えてきます。東山と賀茂川が一望できる、開放感あふれる素敵なお店です。お店のコンセプトもドッグカフェではなく「犬も一緒に入れるカフェ」というもので、犬をお連れのお客様にはいくつかお願いごともあるようですので、事前にホームページを確認されることをおすすめします。

ちょっと寄り道、おすすめショップ

グリルはせがわ <京都市北区小山下内河原町68>

北大路通と加茂街道との交差点のすぐそばにある、レトロな外観の洋食の名店です。ランチタイムには必ず行列ができる大人気のお店で、特にハンバーグは絶品!海老フライや唐揚げとのセットメニューもあり、メニュー選びに悩むのもまた楽しいです。テイクアウト用の窓口もあり、お天気のいい日にはここで買ったお弁当を賀茂川沿いで食べるというのもおすすめです。

グリルはせがわ

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