【愛犬とおでかけ】澄んだ気が漂う、洛東の古刹真如堂を散歩する
真如堂(しんにょどう)は、永観2年(984年)に戒算上人が開創した、比叡山延暦寺を本山とする天台宗のお寺です。正式には鈴聲山真正極楽寺(れいしょうざん しんしょうごくらくじ)といい、「正真正銘の極楽の霊地」という意味を込めて名づけられた、その本堂を表す「真如堂」が通称として定着しました。衆生済度、特に女性を救うとされる「うなずきの弥陀」を御本尊にお祀りしていて、浄土宗の開祖・法然上人や浄土真宗の開祖・親鸞聖人をはじめとする行者や、多くの人々から長年信仰を集めてきました。
今回は、古来より名高い吉田山にあって、清澄な空気が漂う洛東の古刹、真如堂を散歩します。
真如堂山内では、リードに繋いだ愛犬と一緒に参詣することが可能です。但し、お堂などの宗教施設には入場できません。境内は神聖な場所ですので、必ずルール・マナーを守った上で他の参拝者のご迷惑とならないようご注意ください。
北側の参道より
錦林車庫前のバス停を降りて、左手にある坂を登った先にある、北側の参道から訪れてみます。取材したのは11月初旬で紅葉はまだ色づき始めたばかりですけど、月末の頃には鮮やかに色づいた紅葉を仰ぎ見ることができるでしょう。なお、紅葉ばかりではなく、桜や青もみじなど、季節の草花による彩りも美しく、一年を通じて散策が楽しめるようです。
総門より
一旦境内を出て、改めて総門から再度入山してみました。
写真のように、真紅に色づいた紅葉もところどころに見られたものの、まだ見頃には少し早いせいでしょう、土曜日の午後にもかかわらず観光客はそれほど多くはなく、ゆっくりと参詣できました。
三重塔と紅葉
真如堂のシンボル的存在の三重塔は、京都府指定の登録文化財となっています。文化14年(1817年)に再建され、多宝塔をまつった本瓦葺で高さは約30メートルとのことです。
三重塔脇の小路にある木々も徐々に色づいてきているようです。
まだ青いままの葉、色づき始めた葉、そして紅色に染まった葉…自然が生み出したデザインがとても素敵で、しばし見とれてしまいました。
本堂
度々の戦火で焼失した本堂は、享保2年(1717年)に再建されました。国指定の重要文化財で、7間4面総欅、どっしりとした本瓦葺の入母屋造です。
本堂近くには、色づく前の青紅葉が多く見られました。
鐘楼堂
鐘楼堂は元禄年間(1688年 – 1704年)に再建され、京都府指定文化財となっています。宝暦9年(1759年)に作製された梵鐘は、太平洋戦争中の金属類回収令によって供出の憂き目に遭いましたが、幸いにして潰されずに残り、戦後に真如堂に戻されました。
夕陽を浴びて
夕陽を浴びて、より鮮やかさを増した紅葉に目を惹かれました。
ふと気がつくと、空気も少しひんやりとしていて、訪れていた人の姿もまばらとなっています。洛東の古刹にも夕暮れの時が迫っていたようです。
さて、真如堂の散歩はいかがだったでしょうか。
京のシッポでは、今後も愛犬と一緒に散歩できる、素敵な場所や面白いスポットを紹介してまいります。次回の記事もどうかお楽しみに!
| 真如堂:京都市左京区浄土寺真如町 |
| 最寄駅:京都市バス 錦林車庫前バス停 徒歩8分(約400m) |
















