【愛犬とおでかけ】どこか懐かしい風景。時代劇の舞台でもある「流れ橋」を散歩する。
京都府南部の久世郡久御山町と八幡市を結ぶ、木津川に架かる上津屋橋(こうづやばし)。
この橋は全長356.6mの日本最長級の木製の橋なのですが、川が増水すると橋桁が流される構造を持つ橋であることから「流れ橋」とも呼ばれ、その古風な外観は周辺ののどかな風景と併せて時代劇のロケ地としてもたびたび利用されています。
文化庁認定の日本遺産「日本茶800年の歴史散歩」の一部にもなっている、この上津屋橋周辺を散歩します。
上津屋橋(久御山町側)
上津屋橋(八幡市側)
ご覧のようにこの橋には、欄干や橋上灯がなく、丸太で組んだ橋脚の上に橋桁を渡しただけの構造で、まるで数百年前に建造されたような外観であるため、「水戸黄門」「暴れん坊将軍」「桃太郎侍」など、数多くの時代劇のロケ撮影に利用されてきたとのことです。観光スポットとしても有名な場所ですし、たびたびテレビにも登場してきたせいで、なんとなく見覚えがある、という印象を持たれた方も多いのではないでしょうか。
かつてこの地域の住民や近くにある石清水八幡宮への参拝者は、渡し船を利用して木津川を渡っていたのですが、利便性が悪いため橋が造られることとなり、昭和28年(1953年)に上津屋橋が架設されました。元々、低予算で架設するために流れ橋の構造を採用したらしいのですが、20回以上も橋桁が流出し、復旧にかかる修繕費やそれまでの間の住民の生活に支障が出るなどの問題から、一時は近代的な橋に架けかえることも検討されたそうです。しかし「橋桁が流出すること」自体が観光の大きな要素となっていることや、従来の外観を維持したまま復旧を望む声も多く、これまでの構造・外観は維持したまま橋桁を少しかさ上げし、橋脚の数を減らして補強するなどの工事を経て、現在の姿となっています。
橋の下には広大な河原が広がっていて、ここならワンコものびのびと遊べそうですね。
流れ橋と浜茶の茶園
抹茶の原料である「碾茶」(てんちゃ)の栽培には砂地が向いていることから、古くから木津川を挟んで両岸に茶畑が広がっていました。この地域も、かつては上津屋村として一つの共同体を形成し、一体となって茶栽培に取り組んできました。現在でもこのように緑が鮮やかな茶畑を眺めることができます。
この地域は『流れ橋と両岸上津屋・浜台の「浜茶」』として、平成27年(2015年)に日本遺産「日本茶800年の歴史散歩」~京都・山城~の構成文化財として認定されています。
やわた流れ橋交流プラザ 四季彩館
流れ橋からほど近い「やわた流れ橋交流プラザ 四季彩館」に立ち寄りました。地域の新鮮な農産物が購入できる他、お食事や休憩、宿泊、またパン造りやそば打ちなどの体験もできる施設だそうです。
今回は、施設内のJA農産物直売所でネギとナスを購入し、夕食で麻婆茄子にして美味しく頂きました。
併設しているおばんざいメインのお食事処「八幡家」さんでは、屋外のテラス席ならペット同伴での利用も可能のようです。詳しくは施設HPでご確認下さい。
上津屋橋(通称・流れ橋):京都府八幡市上津屋 |
最寄駅: 近鉄電車 久津川駅 徒歩約35分(約2.8km) |