【愛犬とおでかけ】名水百選に京都市内で唯一選ばれた「伏見の御香水」で有名な御香宮神社を散歩する。
御香宮神社（ごこうのみやじんじゃ、ごこうぐうじんじゃ）は、京都市伏見区御香宮門前町にある神社で、旧伏見町一帯の産土神として多くの人々から信仰を集め、また名水百選に京都市内で唯一選ばれた「伏見の御香水」が湧き出る名所としてもよく知られています。
今回は、この御香宮神社とその付近を散歩します。
※御香宮神社では、愛犬と一緒に参拝することが可能ですが、他の参拝者に配慮をし最低限のルールやマナーを守って散歩を楽しんでください。
表門
1622年(元和8年)、徳川頼房（水戸黄門の父）が伏見城[1]の大手門を拝領して寄進した表門です。1906年(明治39年)には重要文化財に指定されていて、どっしりと落ち着いた豪壮な構えに大手門たる貫録を見ることができますね。正面を飾る中国二十四孝を彫った蟇股(かえるまた)[2]も見事なもので、桃山時代の建築装飾として、その代表例のひとつとされています。
参道からの眺め
拝殿
1625年(寛永2年)、徳川頼宣（紀州徳川家初代）が寄進されたもので、桁行七間、梁行三間、入母屋造、本瓦葺の割拝殿様式となっています。正面軒の唐破風（からはふ）[3]は、手の込んだ彫刻によって埋められていて、特に五三桐の蟇股や大瓶束によって左右が区切られている彫刻は、向かって右は「鯉の瀧のぼり」、すなわち龍神伝説の光景を彫刻し、左はこれに応ずるかのように、琴高仙人が鯉に跨って瀧の中ほどまで昇っている光景を表しています。1997年(平成9年)に半解体修理が竣工し極彩色が復元され、往時の豪壮華麗な姿が蘇りました。
御香水
御香宮神社の名の由来となった清泉です。平安時代の862年(貞観4年)、境内より水が湧き出し、良い香りが四方に漂い、この水を飲むと病気がたちまち癒えたとのこと。この奇瑞により、清和天皇から「御香宮」の名を賜ったと伝わっています。絵馬堂には御香水の霊験説話を画題にした「社頭猿曳ノ図」が懸っています。明治以降、涸れていたのを復元し、1985年(昭和60年)、環境庁より京の名水の代表として「名水百選」に認定されました。
当サイト内「おすすめ散歩スポット 京の名水巡り33選」の一つとしても紹介させて頂いています。
伏見大手筋商店街
伏見城の城下町であった伏見の町は、この大手筋を基軸として碁盤の目に街路が整備されました。御香宮神社の大手門もこの大手筋通りに面していて、その少し西側にある京阪伏見桃山駅から風呂屋町通（納屋町通）の間が伏見大手筋商店街としてアーケードになっています。1601年(慶長6年)に徳川家康が日本で初めて設置した伏見銀座と交差する通りであり、商店街内に銀座発祥の地石碑があります。ここは京都市内でも有数の活気ある商店街で、この日も大勢の買い物客で賑わっていました。
[1]伏見城は三度に渡って築城され、最初の城は1592年（文禄元年）に豊臣秀吉が隠居後の住まいとするため伏見指月（現在の伏見区桃山町泰長老あたり）に建設を始めた。このとき築かれたものは指月伏見城、慶長伏見地震による倒壊後に近隣の木幡山（桃山丘陵）に再築されたものは木幡山伏見城と呼んで区別され、さらに木幡山伏見城は豊臣期のものと、伏見城の戦いで焼失した後に徳川家康によって1602年(慶長7年)に再建された徳川期とに分けられる。
[2]柱の頂部をつなぐ頭貫(かしらぬき)と軒下の桁(けた)との間や、梁(はり)上に置かれる部材。カエルが股(また)を開いたような形をしているのでこの名がある。
[3]日本の城郭や寺社に見られる屋根の妻側の造形の一種。中央部を弓のような曲線で頭部に丸味をつけて、両側が緩やかに低く作られた構造をいう。その名称から、中国由来と誤解されがちだが、日本特有の形式である。
平安時代から現在に至るまで、この伏見の地の氏神として信仰を集め、名水「御香水」で有名な御香宮神社ですが、愛犬と一緒に参拝することができるのは、今回の取材で初めて知りました。ぜひ一度愛犬と一緒に訪れてみてください。
京のシッポでは、今後も愛犬と一緒に散歩できる、素敵な場所や面白いスポットを紹介してまいります。次回の記事もどうかお楽しみに！
| 御香宮神社：京都府京都市伏見区御香宮門前町 |
| 最寄駅： 近鉄京都線 桃山御陵前駅下車徒歩約3分(190m)、京阪本線 伏見桃山駅下車徒歩約5分(270m) |
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