愛犬と京都、哲学の道を散歩する

【愛犬とおでかけ】多くの文人に思いを馳せ、愛犬と秋の哲学の道を歩く!

哲学の道(風景1)

哲学の道は「日本の道百選」にも選ばれている京都市左京区にある琵琶湖疏水分線に沿った歩道です。
明治の頃から付近に文人が多く住むようになり、その後京都大学の哲学者・西田幾太郎や田辺元らが好んで散策し、思案を巡らせたことから「思索の小径」と呼ばれ、やがて「哲学の道」として地域住民はもとより多くの観光客に親しまれるようになりました。
今回はしっとりとした秋の風情が感じられる、この哲学の道を散歩します。

叶 匠壽庵あたり

哲学の道(叶 匠壽庵あたり)
紅葉の名所として有名な永観堂を北に進み、ゆるやかな坂道を登ったあたりにある、熊野若王子神社前の冷泉通若王寺橋を南端とし、山裾に流れる琵琶湖疏水に沿って銀閣寺西の今出川銀閣寺橋を北端とする、約1.5kmの散歩道が哲学の道です。疎水の山側は自然の森となっているところも多く、春は桜、初夏は新緑、秋は紅葉と四季おりおりの景色が楽しめます。
道沿いには様々な木々が植えられていて、カエデの木ばかりというわけではありません。毎年早い時期に色づくモミジが見られるのは和菓子で有名な叶 匠壽庵(かのうしょうじゅあん)のお店があるあたりです。

ひなたぼっこ

ひなたぼっこ
地域猫というのでしょうか、このあたりに棲み着いている名物猫さんのようです。
とても人懐っこくて近寄っても逃げる気配は全くなく、足にすり寄ってきます。ひなたぼっこ、気持ち良さそうですね。

哲学の道の紅葉

哲学の道の紅葉
この写真に見られるように、このあたりのモミジは紅色、朱色、黄色と様々に色づいた紅葉に加え、まだ色づく前の緑葉も同時に見られるようです。

紅葉のグラデーション

紅葉のグラデーション
少し離れて眺めて見ると、まるで秋を描いた日本画を見るような、見事な紅葉のグラデーションがそここに見られます。

山茶花(さざんか)

山茶花
この時期、哲学の道では山茶花(さざんか)の花も愛でることができます。白い花が多く咲いていてとても綺麗だったのですがこの日は薄紅色の花に目を奪われました。

西田幾太郎(にしだきたろう)の歌碑

西田幾太郎の歌碑
人は人 吾はわれ也 とにかくに 吾が行く道を 吾は行くなり
日本を代表する哲学者で、京都学派の創始者である西田幾多郎が64歳の元旦に詠んだとされる歌の歌碑です。

市電の名残り

市電の名残り
昭和53年(1978年)に廃止された京都市電ですが、その路面の敷石として使用されていた御影石がここ哲学の道の石畳として使用されています。
市電の敷石には質のいい御影石が使用されていたため、当時は土でぬかるみやすかった哲学の道を整備するために石畳として再利用されることとなったそうです。
ちなみに二年坂と産寧坂、石塀小路の石畳もこの市電の敷石とのことです。

谷崎潤一郎の想い

谷崎潤一郎の想い
『春琴抄』『細雪』などの作品で有名な小説家、谷崎潤一郎ゆかりの地にあるカフェです。
ここは、谷崎潤一郎の義息子の嫁である渡辺千萬子が暮らした所縁ある場所である。彼女は谷崎潤一郎の著書『瘋癲老人日記』(1962年)に登場する颯子のモデルとされる人物で、1978年から2003年までの間、この場所で喫茶店「アトリエ・ド・カフェ」を経営していた。(「谷崎潤一郎・渡辺千萬子ゆかりの地」より引用)
この文面ではじまる、谷崎潤一郎との所縁が記載された看板がこのカフェの前に設置されていて、とても興味深く拝見しました。その続きはぜひ実際にこのカフェを訪れてご覧になってください。

琵琶湖疏水分線の流れ

琵琶湖疏水分線
京都の街の近代化に多大な貢献を果たした琵琶湖疏水。哲学の道は、元々その疎水分線である水路の管理用の道路として設置されました。
北が高く南に向かうにつれて低くなっていく京都の街では、川は北から南に流れるのが一般的ですが、この疎水分線は南から北へと流れるちょっと珍しい水路となっています。
毎年5月下旬から6月にかけてゲンジボタルが見られることから『「哲学の道」のゲンジボタル及びその生息地』として京都市登録天然記念物にも指定されています。

銀閣寺南橋付近にて

銀閣寺南橋付近にて
銀閣寺がほど近い、哲学の道もそろそろ終わりに差し掛かるこのあたりで修学旅行の生徒さんたちを見かけました。どこから来られたのかな・・・一緒に歩いておられるのはタクシーの運転手さんでしょう。このようにタクシーを利用した班別行動が修学旅行の定番となってずいぶん経ちますね。

東山慈照寺(銀閣寺)門前

東山慈照寺(銀閣寺)門前
哲学の道の北端と交差する道を右に進むと銀閣寺の参道となります。土産物屋さんや飲食店も立ち並ぶこのあたりは例年、秋の行楽シーズンには多くの観光客で大変な賑わいを見せます。
この日の銀閣寺の門前も秋の装いで、観光客の皆さんを迎えていました。
いかがだったでしょうか。今回はご紹介できませんでしたが、哲学の道の途中にはおしゃれなセレクトショップや和風のカフェなど、ちょっと立ち寄ってみたくなるお店も点在しています。
人気の観光名所ですので休日は混んでいることも多く、特に春の桜の時期などは決して広くない道幅いっぱいの人であふれそうになることもありますが、オフシーズンは案外空いていたりします。
ぜひ、愛犬と一緒に訪れてみてください。

 

哲学の道(起点:若王子橋):京都市左京区若王子町
最寄駅:
地下鉄東西線 蹴上駅 徒歩約17分(約1.4km)

近くの『犬同伴OK!』のお店

riverside cafe GREEN TERRACE〈京都市左京区鹿ヶ谷法然町72〉

本文でも紹介した、哲学の道沿いのおしゃれなカフェです。
表のテラス席なら、わんこと一緒にゆったりとしたひとときを過ごすことができますよ。哲学の道を散策の折に一度立ち寄ってみては。
(ペット同伴の場合はお店のホームページ記載のお願いをご確認のうえ、ご利用ください。また春・秋の観光シーズンには大変混雑するので相席の場合もあるとのことです。)

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