【愛犬とおでかけ】里山の自然の中、秋の訪れを感じつつ大原「桜井の径」をゆく
大原は京都市左京区北東部に位置する、四方を山に囲まれた里で、高野川に沿って日本海に通じる若狭街道が通っています。京都市街からもほど近く、三千院や寂光院などの名刹めぐりで特に女性客に人気の観光スポットです。
今回はそれらの観光客で賑わうあたりから少し外れた、里山の風景が広がるのどかな「桜井の径(みち)」とその周辺を散歩します。
桜井の径は、大原の里の農地が土地改良事業により整備され、高野川の桜井えん堤が親水公園として改修されたのを機に、支援者の方々の協力を得て堤にオオヤマザクラを植栽した際に、高野川沿いの小径をこのように命名されたようです。
水田や様々な農作物の畑が広がり、のどかな風景を楽しむことができます。
役場橋
この橋は役場橋と呼ばれる高野川にかかる一本橋です。
コンクリート製なので、正直言って風情はイマイチですが、橋の上からは里山の風景と大原を囲む山々を一望することができます。
役場橋近くのコンクリートの護岸に自生していた野草ですが、その実の色がなんとも可憐なブルーやピンク色でとてもかわいくて思わず撮っていました。
名前を知りたくて野草辞典などで調べてみたのですが、わからずじまい。
どなたかご存知の方がおられましたら、ぜひ教えてください。
さきほどの役場橋から上流に向けて、高野川を撮影しました。
この写真だけみると、とても京都市内の風景とは思えないですよね。
里山の風景
このようなのどかな田園風景が広がっていて、時間が経つのもなんだかゆっくりなような気がしてきます。こんな土地に暮らしていると心も穏やかになるんでしょうか。撮影中も地元の人から「おはようございます」って温かく挨拶していただきました。
ちょうど収穫時期を迎えた稲穂が、黄金色に輝いて、吹き渡る風に穂を揺らしていました。
「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」という句を思い出します。
用水路に咲くツユクサ
用水路脇にひっそりと咲く、ツユクサの青い花も綺麗です。
乙が森(おつうがもり)
かつて大原の里に、おつうという美しい娘が住んでいました。
おつうは上洛された若狭の殿様に見初められ、お輿入れされたのですが、やがて病にかかってしまいます。すると心変わりした殿様はおつうを里に返してしまいました。
あまりの悲しみに川に身を投じたおつうの姿は大蛇へと変わり、都入りする殿様の行列に襲いかかります。
しかし、あばれ狂う大蛇は、殿様の家来によって一刀のもとに切り捨てられてしまいました。そして里はその夜から激しい雷雨や悲鳴に見舞われることになります。
里の人たちは、この哀れな大蛇の霊を鎮めるため、その頭をおつうが森に埋めてお祀りしたとのことです。
この昔ばなしに伝わる、乙が森(おつうがもり)が、桜井の径のほど近くにあります。
おつうの法要は現在も地元の人々によって毎年執り行われているとのことです。
愛犬と一緒に
地元の方でしょうか。この日も何組かの愛犬家さんを見かけました。
のどかな里山に流れるゆったりとした時間の中、初秋の大原・桜井の径あたりを散歩してみました。
やがて木々の葉も色づき、吹きゆく風が心地よく感じる頃、ここ大原も秋本番を迎えます。長く厳しい冬が訪れる前にぜひ一度、愛犬と足を運んでみてくださいね。
なお、付近はあまり駐車場がありませんので、お車でお越しの際は十分ご注意ください。
桜井の径:京都市左京区大原大長瀬町 |
最寄駅: 京都市営地下鉄 国際会館駅にて京都バス(大原行き)に乗り換え または 京阪電車 出町柳駅にて京都バス(大原行き)に乗り換え 梅の宮バス停より徒歩約3分(150m) |